刑務所の時給は40円!?最低賃金法に引っかからない理由を解説
刑務所の時給が低いって本当なの?
最低賃金法に引っかからないの?
など刑務所での仕事事情について気になる人も多いでしょう。
そこで本記事では、刑務所の時給が低い理由を解説。さらに最低賃金法に引っかからない理由もあわせて紹介します。
本記事は以下のような人にオススメです
刑務所の給与事情について興味のある人はぜひ最後までご覧ください。
刑務所の時給は40円なの?
結論、刑務所で働いた時給は配属された組織と刑務所によって異なります。
例えば、岡山刑務所だと受刑者が貰えるお金は一番位が高いとされる1等工で1ヶ月約23,000円。時給(週休2日で8時間労働)に換算すると約143円です。
参照元:刑務所で働く刑務作業の月収
つまり、刑務所では非常に少ない金額しか貰えないことを意味します。
さらに刑務所に入りたての人は、10等工(月832円)からのスタートです。
1等工にあがるには早い人で3年かかると言われているので、刑期にもよりますが多くの人が4等工辺り(時給換算で約40円)で出所することとなるでしょう。
等工が上がる基準は刑務所によって様々ですが、以下の通りです。
- 10〜8等工は懲罰無しで1ヶ月ごとに上がる
- 7〜4等工は懲罰無しで3ヶ月に1回上がる
- 3〜1等工は総合的に評価された場合に不定期で上がる
参照元:https://kamenjoshimatome.blogspot.com
4等工までは何もなく作業していれば簡単に上がります。4等工になるまでの期間は約1年半。
刑務所は働く場所ではなく最低賃金法も適用されないですが、仮に外の世界で時給40円だったら非常に過酷な生活になることが予想できます。
刑務所の時給が40円で最低賃金法に引っかからない理由
本章では「刑務所のルールで最低賃金法に引っかからない理由」を3つ紹介します。
- 労働ではないから
- 受刑者と刑務官の関係だから
- 目的が働くことではないから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
労働ではないから
刑務所が最低賃金法に引っかからない理由は労働ではないからです。
最低賃金法とは、労働者に支払われる賃金に関する法律のこと。
刑務所での作業は給与ではなく、作業報奨金とも言われる形で支給されます。
加えて、受刑者が行う活動は社会復帰を支援するものであり、労働とは区別されています。
そのため、時給が数十円と低くても最低賃金法が適用されないのです。
受刑者と刑務官の関係性だから
刑務所での活動は、受刑者と刑務官の関係性に基づいています。
そのため、一般的な雇用とは関係性が異なり、法律も適用されないのです。
刑務所での具体的な関係性(刑務官の仕事)は、以下の通りです。
- トラブル防止の監視・指導を行う
- 受刑者の活動は刑務官の指示に基づいて行われる
とはいえ、刑務官の中には受刑者を下に見て、水や熱湯を強制的に飲ませるといった酷い仕打ちをした人もいると言われています。
具体的な仕打ちについて興味のある人は、関連記事「刑務所でも過激ないじめが行われている!具体的な内容と暴力などが横行する理由を紹介」で紹介しているので、ぜひご覧ください。
目的が働くことではないから
刑務所での活動の目的は、単に働くこと自体ではありません。
刑務所では、受刑者に対して更生の機会を提供し、再犯の防止や社会復帰が主な目的で運営されています。
実際、法務省でも刑務作業の目的は社会復帰を目的にしていると言われています。
参照元:法務省:刑務作業
つまり、刑務所での活動はお金ではなく、社会に出ても問題なく行動できるように指導するための教育施設なのです。
実際、ネット上での検索にも「刑務所にわざと刑務所に入りたい」「楽しかった」などが上がっています。
刑務所の教育プログラムが、受刑者たちの更生を第1に考えた結果と言えるでしょう。
また、関連記事「わざと刑務所に入る人がいる!具体的な理由と危険性について徹底解説」では、わざと刑務所へ入る理由を紹介しています。
わざと刑務所に入る心理に関心のある人はぜひご覧ください。
刑務所で時給が低いのは受刑者が製作したから
刑務所で時給が低い理由は、受刑者が製作したイメージの悪さが原因です。
刑務所内の作業で作られた石鹼やパスタといった製品は一般人に販売されます。
しかし、受刑者が作ったことから質がいくら良くてもイメージの悪さから高値で取引できません。つまり、利益も発生しないのです。
また、時給の低さから出所後に貯金がなく、再犯してしまう人を増やすきっかけにもなっています。
何かしらの対策はされるそうですが、実際には仕事が見つかるまで【最低限の生活保証】ぐらいのルールしかないのが現状です。
刑務所の時給40円で稼いだお金の使い道を紹介
刑務所で仕事をしても時給が低いことに、驚きを感じると同時に「お金の使い道はあるの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
そこで本章では「刑務所で稼いだお金の使い道」を紹介します。
- お菓子の購入
- 出所後のための貯金
刑務所でのお金の使い道に興味がある人は必見です。
お菓子の購入
刑務所で稼いだお金の使い道として、お菓子の購入が挙げられます。
お菓子は差し入れが認められていないからです。
基本的には自腹での購入で、入所後半年違反がない受刑者に購入の権利があります。
また、購入できるお菓子は刑務所側が用意した商品の中からしか選べません。
そのため、自分の好きなお菓子がない人は購入する機会がほとんどないと言えます。
さらに年末年始には大量のお菓子が配られる刑務所もあるので、正月付近に入所した人は特別購入する必要もないでしょう。
出所後のための貯金
刑務所で稼いだお金の半分は出所後のために、強制的につみたて貯金されます。
強制的につみたて貯金される理由として、以下のことが挙げられます。
- 出所後に少しでも楽な生活を送ってもらうため
- 無駄遣いをさせないため
- 紛失リスクを軽減するため
特に刑務所は犯罪をした人が集まっているため、紛失リスクが高く非常に危険です。
最悪の場合、喧嘩になり、大きなトラブルになり得るリスクもあります。
そのため、強制的に貯金する制度を取っているのでしょう。
とはいえ、月収数千円から高くても1万円なので、出所後に貯まっているお金は少ないです。
そのため、強制的なつみたての制度は刑務所の方々が喧嘩の危険性といった、受刑者に与える様々なリスクを減らすために作成したルールと言えます。
刑務所で時給が関係ない理由
本章では「刑務所で稼ぐお金に意味がない理由」を紹介します。
- 衣食住が保証されている
- イベントも定期的に開催される
- テレビや本も用意されている
刑務所の生活について知りたい人はぜひご覧ください。
衣食住が保証されている
刑務所では、受刑者自身で生活費を稼ぐ必要がなく、寝具、衣服といった基本的な生活必需品は提供されます。
さらに食事も提供され、ファミレスやコンビニがあるわけでもないので、お金を稼いでも意味がないのです。
また、食事に関してはインターネット上でも「刑務所の食事が豪華すぎる」「羨ましい」といったレベルの料理が提供されます。
刑務所でお金を稼いでも使い道がないので、時給は気にする必要性がないと言えるでしょう。
関連記事「刑務所の食事が豪華すぎる!贅沢なメニューが多い理由を徹底解説」では、刑務所での具体的なメニューについて解説しています。
刑務所のご飯が豪華と聞いて興味のある人はぜひご覧ください。
イベントも定期的に開催される
刑務所では、受刑者の教育も兼ねて様々なイベントが開催されます。
具体的なイベントとして挙げられるのは、以下の通りです。
- スポーツ大会
- クリスマスや正月
イベントは受刑者にとっての楽しみや刺激となり、コミュニケーション能力の向上といった様々なメリットが得られます。
また、イベントが定期的に開催されるので、娯楽施設が必要なく余暇の時間を楽しめます。
無料でも楽しめるイベントが充実しているからこそ、お金が無くても生活できていると言えるでしょう。
またクリスマスや正月といったイベント内容について知りたい人は下記記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。
テレビや本も用意されている
刑務所では、娯楽を楽しむためのテレビや本が用意されています。
テレビ番組や読書は、刑務所内での余暇の時間を有意義に過ごす1つの手段です。テレビの内容もニュースだけでなく、エンタメ系の番組も視聴できるそう。
正月になるとガキの使いや紅白歌合戦が視聴できるそうです
また、本を読むことで知識の獲得や精神的な成長が見込めます。
つまり、刑務所でも最低限の娯楽が保証されているため、時給を基本的に考える必要がなく給与が関係ないのです。
実際、インターネット上でも「刑務所が楽しかった」と言われています。そのため、人によっては刑務所を辛いと感じない人がいると推測できます。
楽しかったと言われる理由の詳細は、関連記事「刑務所は楽しかった!具体的な理由と刑務所内で行われていたイベントを紹介」で紹介しています。
楽しかったと言われている理由に興味のある人は、ぜひご覧ください。
まとめ
本記事では、刑務所内で受刑者が貰える時給事情について解説し、稼いだお金の使い道・最低賃金法が適用されない理由を紹介しました。
結論、刑務所で受刑者が貰える時給はレベルによって異なりますが、約40円、月になおすと数千円だそうです。
理由としては、受刑者との間に雇用の関係がないため、最低賃金法に引っかからないことが挙げられます。
また、刑務所でも稼いだ額全てを使えるわけでなく、半分は強制的に出所後に使えるお金へと回されます。
外の世界だと時給が数十円なのは考えられませんが、雇用関係ではない刑務所ならではのルールと言えるでしょう。