刑務所の手紙に書いてはいけないことは?具体的な内容と審査がある理由も解説
刑務所に送る手紙で書いてはいけないことは?
受刑者との手紙のやり取りに制限がある理由は?
などと受刑者と手紙のやり取りをしたい人は悩む人は多いでしょう。
そこで本記事では、刑務所が手紙で書いてはいけないことを具体的な内容を交えて紹介します。
本記事は以下のような人にオススメです
審査がある理由もまとめているため、刑務所の手紙について知りたい人はぜひ最後までご覧ください。
刑務所に送る手紙に書いてはいけないこと
本章では「刑務所に送る手紙に書いてはいけないこと」を5つ紹介します。
- 逃亡を手助けする情報
- 住所などの個人情報
- 刑務所内の生活の質問
- 暗号と捉えられる言葉
- 性的な言葉
それぞれ順に解説していくので、刑務所に送る手紙に書いてはいけないことが気になる人はチェックしてみてください。
逃亡を手助けする情報
受刑者の逃亡を助けるような内容は、手紙に書いてはいけません。
刑法第103条に規定されている【犯人蔵匿罪】や【犯人隠避罪】に問われる可能性があるからです。
逃亡と捉えられる内容の具体的な例としては、以下のことが挙げられます。
- 刑務所の構造
- 警備に関する内容
- 刑務官の情報
- 脱獄するためのアイテムの情報
手紙を書く際は、逃亡につながりそうな内容がないか、再度注意深くチェックしてください。
参照元:被疑者の逃亡を助けたら罪になる! 犯人蔵匿罪と犯人隠避罪の違い
住所などの個人情報
個人情報は、刑務所の手紙に書いてはいけない内容とされています。
刑務所の手紙は他人が見る可能性があるため、個人情報の記載はリスクです。
最悪の場合、住所が犯罪に悪用され、トラブルに巻き込まれる危険性も考えられます。
具体的には、以下の人が個人情報を見る可能性があります。
- 同じ部屋の別の受刑者
- 手紙を検閲する職員
- 手紙を移動させる係の人
受刑者がどのような状況で手紙を読むか分からない以上、住所や名前・電話番号といった個人情報は避けましょう。
刑務所内の生活の質問
受刑者が刑務所内でどのような生活をしているかと気になる人もいますが、手紙で生活に関する質問をしてはいけません。
刑務所での生活を尋ねることで、手紙をチェックする人によっては警戒される可能性があるためです。
刑務所生活の妨げになると判断された場合、手紙が受刑者に届かない可能性もあります!
刑務所内の様子が知りたい場合は、日本弁護士連合会のパンフレット「受刑者の皆さんへ」をはじめ、別の所で情報を確認することがおすすめです。
とはいえ、どんな生活をしているか気になる人もいるはず。
そこで関連記事「刑務所生活は辛い?」では、刑務所生活について紹介しているので、興味のある人はご覧ください。
暗号と捉えられる言葉
暗号と認識される恐れのある言葉は、手紙に使用してはいけません。
暗号をやり取りすることで、脱獄や新しい犯罪の打ち合わせをしていると疑われてしまうからです。
暗号と判断される手紙として、以下の3つの例が挙げられます。
- 意味深な数字や英語を入れる
- 幽霊文字など隠語を文書に書く
- 手紙に針穴を空ける
刑務官などに疑われると手紙が届かないリスクがあります。
疑われるような内容は避け、シンプルで明確な内容の手紙を心がけましょう。
性的な言葉
受刑者との関係が恋人や夫婦、内縁関係であっても、性的な言葉は手紙には書いてはいけません。
手紙には検閲が入るため、性的な言葉のやり取りをしているとすぐ分かります。
さらに他の受刑者が性的な内容の手紙を見ると、受刑者のいじめにつながるケースも珍しくありません。
いじめられた受刑者は精神的に参ってしまうケースもあります!
なぜいじめに発展するかは、関連記事「刑務所での性生活の事情は?」で解説しているので、興味のある人は本記事とあわせてご覧ください。
受刑者側が刑務所から送る手紙で書いてはいけないこと
本章では「受刑者側が刑務所から送る手紙で書いてはいけないこと」を3つ紹介します。
- 他の受刑者について
- 刑務所内での生活について
- 宛名の人への指示出し
受刑者側が書いてはいけないことが秋になっている人は必見です。
他の受刑者について
他の受刑者の情報については、手紙に書いてはいけません。
他の受刑者の情報は個人情報に当たり、犯罪に悪用される恐れがあるためです。
具体的には、以下の6つのような内容が検閲で引っかかる可能性があります。
- なぜ刑務所にいるのか
- 過去にはどのような暮らしをしていたか
- 個人情報
- 刑務所内の交友関係
- 刑務所での態度
- 悪口
他人のことは言及せず、自分のことを手紙に記載することが大切です。
また、刑務所によって【週1度しか手紙のやり取りができない】などの規制があるため、他人のことについては、基本的に書く必要はありません。
刑務所内での生活について
刑務所内での生活については、受刑者側からも手紙に書いてはいけません。
生活についての詳細は、脱獄を計画されるリスクが高まるからです。
刑務所内のルールや検閲する人の考え方にもよりますが、クリスマスやお正月をどのように過ごしたのかという内容も避けた方が良いです。
その他、以下のような内容も注意を受けます。
- 他人や刑務官の悪口
- 刑務所での具体的な作業内容
刑務所から注意を受けると出せる手紙の通数が減る、刑務官から目を付けられるといった処分になるケースもあるそうです。
また、刑務所内でのお金事情について気になる人もいるはず。
関連記事「刑務所の時給は40円!?最低賃金法に引っかからない理由」では、お金事情を紹介しているので、興味のある人はご覧ください。
宛名の人への指示出し
宛名の人への指示出しは、手紙に書いてはいけません。
刑務所内から犯罪の打ち合わせを行っていると捉えられ、検閲で問題になります。
指示出しで問題になる例として以下のことが挙げられます。
- 必要以上の差し入れのリクエスト
- 第三者に伝言を依頼
手紙の内容は刑務所で記録に残ると言われているため、仮釈放に悪影響を与える場合も少なくありません!
そのため、刑務官に誤解を与えるような内容は、手紙では書かないことを受刑者は意識していると言えます。
刑務所との手紙のやり取りで問題ない内容は?
本章では「刑務所との手紙のやり取りで書いても問題ない内容」を紹介します。
- 心理的励まし
- 出所してからの未来の話
刑務所との手紙のやり取りで問題ない内容が気になる人は、ぜひ最後までご覧ください。
心理的励まし
心理的な励ましは、手紙に書いても問題ない内容の1つです。
具体的には、以下の例のような言葉が心理的な励ましにつながります。
- 自分を信じて前進しよう
- 未来はきっとよくなるよ
- 頑張ってね
- 一緒に遊ぼうね
身を案じる内容は、受刑者からしても頑張るきっかけになる嬉しい言葉です。
加えて、出所を待っている人がいることは、未来を想像する希望にもなり得ます
そのため、刑務所に行ってしまった人には、励ましの言葉を書いてあげるのがおすすめです。
出所してからの未来の話
出所してからの未来の話をすることは、手紙に書いても良い内容です。
受刑者の多くは過去を悔い、未来に不安を感じています。「一緒に○○しよう」という文言があるだけで、気持ちが晴れるものです。
例えば、以下のような内容は喜ばれるでしょう。
- ○○さんに子どもができたので会いに行きましょう。
- ○○の花が咲いたので見に行きましょう。
ただし検閲する人の考えによっては、NGなケースもあるため、実際に手紙にする際は個人情報などに配慮することが大切です。
手紙のやり取りで書いてはいけないことがある理由
本章では「手紙のやり取りで書いてはいけないことがある理由」を3つ紹介します。
- 予期せぬトラブルを防止するため
- 宛名が協力者である可能性があるため
- プライバシーを守るため
なぜ制限が多いのか気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。
予期せぬトラブルを防止するため
刑務所では予期せぬトラブルを防止するために、手紙の内容に制限があります。
手紙の内容を制限しなければ、新たな犯罪が起きるといった危険性が高まるからです。
仮に手紙の内容に規制が無ければ以下の3つの例のようなトラブルが想定されます。
- 刑務所内に仲間が来る
- 犯罪の指示ができる
- 受刑者に恨みを持っている人からの嫌がらせ
大きなトラブルは、刑務所運営の妨げになりかねません。
特に犯罪の指示に関しては、国民をも巻き込む犯罪が起こる可能性があり、非常に危険です。
様々なトラブルを防止して国民や受刑者の安全を守るためにも、刑務所では手紙のやり取りを一部規制しているのです。
徹底的なルール管理によって「刑務所が楽しい」といった声にも繋がっているとも言えますね!
関連記事「刑務所は楽しかった!具体的な理由と刑務所内で行われていたイベントを紹介」では、刑務所が楽しいと言われる理由について解説しています。
刑務所に興味のある人は本記事とあわせてご覧ください。
宛名が協力者である可能性があるため
刑務所で手紙のやり取りに制限がある理由として、宛名が協力者である可能性が挙げられます。
手紙のやり取りをする親しい仲であれば、受刑者の犯罪と何らかの関係があっても不思議ではありません。
仮に手紙のやり取りに検閲がないと、協力者と打ち合わせをしたり、何らかの指示をしたりする可能性が高まります。
最悪の場合、受刑者たちを束ねた脱走計画を企てるリスクもあります!
そのため、たとえ協力者であっても情報交換が難しくなるように厳しい制限をかけているのです。
プライバシーを守るため
刑務所とやり取りをする手紙では、個人情報の記載が禁止されています。
仮にプライベートな内容が記載されていると、刑務所内で広まり、他の受刑者が出所した時に予期せぬトラブルが起こる可能性があるからです。
例えば以下のようなトラブルが挙げられます。
- 友人や家族に対する暴力
- 家に行って窃盗をされる
個人情報を入手した別の受刑者が、あらたな犯罪のために個人情報を悪用する可能性は否定できません。
受刑者たちの出所後のプライベートを守るためにも、手紙に書いてはいけないルールが設けられているのです。
まとめ
本記事では、刑務所での手紙のやり取りで書いてはいけないことを解説しました。
刑務所内の検閲は厳しく、書いてはいけないことが記載されている手紙が届かないことも少なくありません。
そのため、刑務所に手紙を出す際は本記事を参考にして問題のない内容を書くことが大切です。