刑務所の場所の決め方は?入るまでの流れや基準についても徹底解説
刑務所はどうやって決まるの?
入るまでの流れや基準は?
など、刑務所が決まるまでの流れや基準について知りたい人も多いでしょう。
そこで本記事では、刑務所の決め方や収容までの流れなどを紹介します。
本記事は以下のような人にオススメです
どのように刑務所の場所が決まっているのか知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
刑務所の場所の決め方の基準
刑務所の場所の具体的な決め方は、公にされていません。
しかし規定や過去の傾向から、決め方の大きな基準はある程度導き出せます。
そこで本章では「刑務所の場所の決め方の基準」を7つ紹介します。
- 居住地域
- 性別の違い
- 収容人数
- 受刑者の罪の重さ
- 刑期の長さ
- 刑務所のセキュリティレベル
- 初犯かどうか
各基準について順に解説していきますので、刑務所の場所がどのように決まるのか気になる方はぜひご覧ください。
居住地域
刑務所が決まる基準として、居住地域が挙げられます。
ただし、居住地域が関係してくるのは刑が軽い人です。
具体的には、以下のような犯罪が挙げられます。
- 強盗
- 障害
- 詐欺
特に、強盗に関してはコンビニでの窃盗なども含まれるため、罪としては軽い部類に属しています。
一方、殺人といった犯した罪が重い場合や銀行の強盗などニュースで報道される規模だと、居住地域が関係なく収容されることがあります。
とはいえ、罪が軽いかは裁判官が決めることなので、居住地域は関係ないとも言えるでしょう。
性別の違い
性別の違いは、刑務所を決める時に大きな影響を与えます。刑務所は、男女混合ではないからです。
男性は【男性刑務所】女性は【女性刑務所】に収容され、トランスジェンダー(性同一者)は戸籍上の性別の収容所で決まる例が大半です。
また、性生活が制限されていることも、男女別に刑務所が分けられている理由の1つです。
刑務所での喧嘩や妊娠など様々なトラブルを防止するためと個人的には考えています。
刑務所での性生活について知りたい人は関連記事「刑務所での性生活の事情は?知られざる刑務所の生活について徹底解説」で紹介しているので、ぜひご覧ください。
収容人数
刑務所の収容人数と定員がどうなっているのかも、刑務所の場所の決め方に大きく影響します。
刑務所では収容率80%を超えないように、受刑者の割り振りを実施しているからです。
定員オーバーをしている刑務所もあるものの、基本的には定員を超えないように割り振りされています。
収容人数に制限がある理由は、以下の通りです。
- 喧嘩やいじめ防止のため
- 刑務所にかかるコストを下げるため
- 監視を楽にするため
特に喧嘩やいじめに関しては刑務所を円滑に運営するのに非常に大切です。
実際、川越少年刑務所ではいじめ問題がニュースなど様々なメディアで取り上げられた事例があります。
収容人数は、刑務所の治安にも関わるので非常に大切と言えるでしょう。
また関連記事「刑務所でも過激ないじめが行われている!具体的な内容と暴力などが横行する理由を紹介」では、刑務所のいじめ問題について解説しています。
興味のある人はぜひ本記事とあわせてご覧ください。
受刑者の罪の重さ
罪の重さは、刑務所の場所を決める時に影響を及ぼす1つの要素です。
罪の重さは、刑期の長さに関係しているからです。
たとえば死刑執行施設は以下の刑務所にあり、罪が重い受刑者が多く過ごしています。
- 札幌刑務所
- 宮城刑務所
反社会的勢力が多いのは熊本刑務所であり、殺人犯は岐阜刑務所に多く収容される傾向があります。
一方、軽い刑の人は、関東であれば黒羽刑務所や千葉刑務所などです。
罪の重さによって場所が異なるため、罪状さえ分かれば場所を推測できます。
刑期の長さ
刑期の長さは、刑務所の場所と密接に関係しています。
刑期が10年以上の重刑者は罪が重く、危険人物と捉えられているため、厳しいと言われる刑務所へ行く場合が大半です。
一方で刑期が短い人は、同じような刑期の人が集まる刑務所が候補になります。
例えば、刑期の長い人が多い神戸刑務所では、規律が厳しく設定されているため、受刑者から恐れられているそうです。
刑務所の場所が気になる場合は、刑期の長さにも注目しましょう。
刑務所のセキュリティレベル
受刑者の罪が重い場合は、刑務所のセキュリティレベルも関係してきます。
脱獄する恐れのある極悪犯は、警備体制が整った刑務所に送られないと予期せぬトラブルを起こす可能性があるからです。
実際、海外にあるバーミンガム刑務所では、ご飯がまずいといった理由から暴動が起き、扉が破壊されるといった事件がありました。
そのため、刑務所のセキュリティレベルは非常に大切です。
暴動が起こった理由が「ご飯がまずい」ことから、刑務所のご飯事情について気になる人もいるでしょう。
関連記事「刑務所の食事が豪華すぎる!贅沢なメニューが多い理由を徹底解説」では、刑務所の食事を紹介しています。
刑務所のご飯に興味のある人は、ぜひご覧ください。
初犯かどうか
罪を犯した回数は、刑務所の場所に影響します。
初犯は犯罪傾向が進んでいないため、受刑者区分がAの一番緩い部類に分類されます。
Aに分類された場合、関東であれば以下の刑務所が候補です。
- 黒羽刑務所
- 市原刑務所
- 八王子医療刑務所
しかし女性の場合は初犯や再犯にかかわらず、女性が服役できる刑務所に収容されます。
そのため、初犯かどうかは主に男性が関係します。
罪を犯してから刑務所の場所が決まるまでの流れ
本章では「罪を犯してから刑務所の場所が決まるまでの流れ」の流れを3ステップ紹介します。
- 裁判を行う
- 拘置所に入れられる
- 刑務所へ収監
それぞれ順に解説していくので、罪を犯してから刑務所の場所が決まるまでの流れが気になる人は必見です。
1.裁判を行う
日本では罪を犯したからといって、すぐに刑務所に入るわけではありません。
逮捕された後、軽微な罪だったり、被害者が了承したりした場合は釈放されます。
釈放されない場合は、被疑者は1日以内に勾留される場合が大半です。一方、検察官が起訴すると決めた場合、刑事裁判が開催されます。
刑事裁判は、以下の2種類です。
- 略式裁判…100万円以下の罰金刑の場合に開催される
- 通常裁判…双方からの意見を言い合い、裁判官から判決が言い渡される
通常裁判で有罪となれば、刑務所で服役することになります。
参照元:1分でわかる刑事事件の流れ
2.拘置所に入れられる
拘置所とは、逃走や証拠隠滅を図らないように刑務所にいく前に入れられる施設です。
勾留中(刑事施設に身柄拘束されること)や保釈中(釈放された状態)の被告人の場合、判決の言い渡し後は拘置所に一時的に収容されます。
そして身柄を拘束されていない事件の場合、判決確定後に検察庁からの呼び出しに応じた後に拘置所へ入れられます。
拘置所では、2泊3日から最大でも21泊22日程度の短期間を過ごし、刑務は行いません。
参照元:留置場(留置所)とは
判決が確定すれば、刑務所へ行きます。
さらに刑務所に行く前には、どの場所が適しているかの調査が行われます。
調査期間は1週間から2週間程度で、内容は以下の通りです。
- 精神状況
- 身体状況
- 反社会的集団との関係
- 家族やその環境
- 職業
- 将来の生活設計
調査後は刑務所に収監され、処遇が決まります。刑務所では決められた刑期を過ごし、出所という流れです。
刑務所の場所決めの際に使用するレベルを紹介
本章では、「刑務所の場所決めの際に使用される」2つのレベルを紹介します。
- A区分
- B区分
刑務所の場所決め時のレベル分けに興味のある人は、要チェックです。
A区分
A区分とは、犯罪傾向が進んでいない人のことです。
A区分には、以下のような条件の人が当てはまります。
- 児童自立支援施設または少年院での収容歴が1回限りで、刑務所での受刑歴もない
- 仮に犯罪経歴がある場合は5年以上経過していること
- 反社会性集団へ一度も所属したことがない(所属期間が1年未満である)
- 受刑に至った犯行が偶発的または機会的な場合
- 直近1年以内に、著しい薬物・アルコール等の依存、放浪・徒食癖などがない
つまり、A区分とは危険性が低い人物のことを指します。
そのため、A区分を受け入れる刑務所は比較的多く、人の入れ替わりも頻繁にあります。
B区分
B区分とは、犯罪傾向が進んでいる人を指す区分です。
ただ初犯であっても、反社会的勢力と親密な関係があれば、A区分ではなくB区分とされます。
具体的な条件は以下の通りです。
- 児童自立支援施設または少年院への収容歴が2回以上ある
- 刑務所での受刑歴があり、出所後5年未満
- 反社会性集団の中心的構成員である
- 受刑に至った犯行が慣習的または計画的だった
- 直近1年以内に、著しい薬物・アルコール等の依存、放浪徒食癖などがある
B区分は、危険人物と呼ばれる人たちが分類される区分です。
そのため、初犯ではなく2回目に刑務所へ入る人や反社会的勢力の主力として活動していた人などが該当します。
まとめ
本記事では、刑務所の場所の決め方について紹介しました。
刑務所の場所の決め方には様々な基準があり、似た犯罪を行っても性別や地域などで大きく変わります。
刑務所の場所は細かくレベル分けされており、刑が軽いほど過ごしやすい場所です。
どこに収監されるか不確定であるため、罪は犯さないようにしましょう。